高知ふるさと応援隊研修

高知県中山間地域対策課に呼んでいただき、高知ふるさと応援隊の研修を担当してきました。
高知県は日本の中でも特に過疎高齢化が進んでいる地域であることもあり、県の危機意識も高く積極的な中山間施策が展開されています。
先日のNHKで特集された「小さな拠点」についても実質的に機能する拠点を「集落活動センター」として位置づけ積極的に支援しているのも非常に参考になります。(集落活動センターは大体人口規模で最小140人程度〜最大1700人。地域がしっくりくる単位で設定)

今回は高知で活動する高知ふるさと応援隊(制度的には地域おこし協力隊&集落支援員&過疎ソフト)のなかでも1年以上の活動歴のある人たち向けのもの。1泊2日のプログラム全部を担当させてもらってます。

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会場は本山町汗見川ふれあいの清流館。高知県で第一号の「集落活動センター」が運営する旧小学校を利用した研修施設。木をふんだんに使った建物でカッコイイ。
研修はまずは講義で、地域の方向性について私の考え方を述べさせていただいた上で、ワーク。2日目もワーク。
内容は、9月に仙台でやった復興支援員の研修や、先日の対馬での研修あたりからだいぶカタチになってきた「これまでのロードマップ/これからのロードマップ」。
ロードマップを考えるのは重要、というのだけど未来を考えるだけではなくて、これまでの活動もこれからの活動も同じフォーマットの中で、連続的に位置づけるということが重要で、それを俯瞰的に眺めましょう。というものです。

縦軸は地域の元気だったり、自治力であったりに設定し、横軸は時間。
地域の小さな気付きから持続的な自治に至るまでのプロセスの中にこれまでの活動を位置づけ、現在の成果・課題を整理し、さらにこれからの道筋を考えるということが重要かと思います。
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また、その中でプロセスの断面に位置づけられるのが体制であったり、経済循環であったりします。
体制というのはつまりは主体です。人口減少が進む中で地域住民(のみ)を地域の担い手と考えると人口減少とともに小さくなってしまうのですが、ネットワークの時代では必ずしも地域「住」民のみが担い手なのではなくて、地域外の住民を「市民(市民権みたいなイメージで捉えると良いかも)」として位置づけ、活用してくことが戦略的には重要で、そうすることで主体を“太く”していくことが大事。ということです。

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また、経済については、地域の運営をしていくというのはどうしても経済的負担が多くなりますが、それをどのように稼ぎだすか、採算をとる部門と採算がとれなくてもやる部門、を意識化(見える化)することが重要。更には「トントンでもやる」事業はやる気を維持したり、生き甲斐、居場所を創りだす上でも重要かな、と思います。この3つの部門を地域の主体的な意思決定の下で運営していくことが重要で。そのバランスはプロセスの中で紆余曲折しながら最終的な安定を目指してくのかな、と。。。そのモデルが沖縄の共同売店かと思っています。

こんな今回の研修の成果はなにか、というとここで作ったロードマップもそうですが、こういう整理の仕方をしる、ということだと思います。日々忙しい業務に追われているとどうしても自らの活動を俯瞰する機会がなくなっていってしまうのですが、「見える化」するということが軌道修正を考える上でも重要かと思います。

また、こういうふうに同じフォーマットで見える化すると、地域間の経験値をやりとりする上でも非常に便利だと思います。。。。

また、こういう風に整理してみると、実は応援隊の活動と地域との関わりが少ない、とか応援隊に地域が依存してしまっているのではないか、とか応援隊の活動と地域の課題がマッチしていないのではないか、というようなことも見えてきたりします。